30代前半IT未経験からの大手SIerに転職した、正確に言うと知り合い(以降、A氏)が転職しました。私はそのサポートをしていました。
こんにちはやまぱんです。
軽く自己紹介をしておくと、IT企業に勤めながら趣味半分副業半分で自分の転職経験や面接官経験を生かして、ITエンジニアおよびITエンジニアになりたい人のキャリア相談にのったり、時には転職エージェントやフリーランスエージェントみたいなことをしてます。
この度年明けから半年ほどメンタリングしていたA氏の転職活動がひと段落したのでここに記します。一部ぼかして書いてるところはありますが、嘘は書いてないです。
この記事のモチベ
30歳を超えてから同じように異業種からのITエンジニア、インフラエンジニアに転職する人の参考になればと思います。
今回のメンターをしてく中でネットを探してみても、20代の転職異業種からの転職の事例はみつかるものの、30歳を超えて大手SIerに転職した事例はなかなか見つからないからです。
あっても300万~400万ぐらいのSESへの転職が過半数だと思います。
自分自身のいままでの転職エージェントやキャリア相談の経験でも、未経験からのエンジニア転職でのボリュームゾーンはそのあたりでした。
ただ、時間かけて準備すればもっといいところいける可能性あるのになーと思う人がほとんどでした。
そういう人向けに具体的にこうやっていい結果が出たという事例を共有できたらと思います。
何をやったらいいかわからないっていう人には具体的に書いてるので、かなり役立つのではないかと思います。
そして、もしよかったら一番下のところから寄付してもらえると嬉しいです 🙂
アラサーIT未経験なA氏の大手SIer転職
転職前と転職後の職業と年収
A氏の転職前はベンチャー企業勤務 年収600万でした、そして今回のオファーは大手SIer SE 年収580万です。おそらく新卒2~3年目ぐらいの年収だと思われる。
少し下がったものの、IT業界未経験からのIT転職で600万弱のオファーはメンタリングしてた私も正直びっくりしました。
転職活動前のスキル
大学も理系だが電気電子系や情報系ではないのでプログラミングや情報科学を学んだことはなく、IT系の経験といえば下記のような感じです。
- EXCEL と Word と PPT が使える
- 昔に興味本位でプログラミング学習サイト(paiza)でPythonを学んでいたことがある
名前解決はもちろん、HTMLすら知らなかった。「Azure、これなんて読むの?」と聞かれるような感じだった。
転職のきっかけ
A氏の現職のベンチャー企業の業績が悪く、いろいろなことが起こり始め、つぶれかねないと感じ始めたことと、会社に対する不信感から転職を考えるようになった(らしい)。
転職活動の時系列
覚えてる限りこんな感じ、資格のところは正確。
メンターしてる中で「これやって、あれやって!あとこれも!」って自分が言ってたのであれだけど働きながらよくやってくれたなと思う。
-
2023/03
転職相談を受ける
未経験のひとは多くがみんな開発エンジニア目指すけど、インフラエンジニアはその分倍率が相対的に低いし高年収目指せるし、体系的な資格も多いし、悪くないよいいよって教える。
ついでに AWS より Azure がいま伸びてていいよって教える(洗脳する)。 -
2023/04
ネットワークはなぜつながるのかを皮切りに勉強を始める -
2023/06
CCNA 合格:主にping-tと1週間でCCNAの基礎が学べる本で学習 -
2023/07
Linuxハンズオン:Linuxで動かしながら学ぶTCP/IPネットワーク入門を完走、初めてのLinuxインストール。
基本情報勉強開始 -
2023/09
書類応募開始:Openwork、Green、Dodaなどを主に利用
応用情報勉強開始
AWSハンズオン:Amazon Web Services基礎からのネットワーク&サーバー構築改訂4版を完走、完成形の内容はAWS上にワードプレス環境、WebサーバとDBサーバーを構築して外からアクセスできる状態にするものです。(ほんとは Azure でやって欲しかったですけど(笑)) - 2023/10
応用情報情報技術者 合格(正式発表はまだだが、自己採点の結果的におそらく合格):
おもに過去問道場、過去問題集で学習
複数内定ゲットし、大手SIerから内定がでて転職活動終了
A氏が自主的に学んだこと
まあ大体私がい言った通りにやってくれたなと思います。
時々わかりやすいYoutubeを見たり、知り合いにもらった入門書などを読んだりしていたようです。
受かった会社(転職先)
Bing AI に大手 SIer ってどこか聞いたところ下記のような回答が来ました。
具体的な名前は避けますが、今回の転職先も下記に含まれます。
大手SIer企業の具体例を紹介します。以下の企業が含まれます:
- 日本IBM
- 富士通
- NEC
- 日立製作所
- NTTデータ
- 三菱電機情報システムズ
- ソニーグループ
- 東芝デジタルソリューションズ
- オムロンソリューションズ
- 野村総合研究所
- 住友電工情報システムズ
- 三井情報
- エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ
- キヤノンITソリューションズ
- デロイト トーマツ コンサルティング
- NTTコムウェア
- 日本ユニシス
- アクセンチュア
受験を勧めた資格
- [取得]CCNA
- [取得]基本情報技術者
- [取得]応用情報技術者
- [未取得]LPIC1
- [未取得]OracleBronze
- [未取得]Azure / AWS のインフラ系の資格2~3個
で実際に今回取得したのが上の3つです。優先度も上から勧めました。
IPA 以外のベンダー資格はお金かかりますし金銭的にもしんどいですしね。
これらを勧めた理由は簡単で、構築作業を実際にやるような案件や会社のJD/JobDescription(募集要項)の資格欄に書かれていることが多いからです。
年収を下げることを覚悟したアラサーの転職なのでこの先のキャリアを考えたときに、”エンジニア採用といいつつ実際は数年監視オペレーター”っていう風にならないよう、なるべく早く設計構築、できればクラウド系に携われるように給料を上げられるように、書類通過率を上げるために、です。
上記以外にやったこと
- わからないことやエラーがでたらとりあえずChat GPT使うといいよと教えて、自走を促した
- 学んだことの理解を確かめるような会話をした
- メンタルケア&モチベアップ
- やったことを言語化してまとめさせた、選考でもPRする目的もあり
- つまったところをメモし、さらに解決しなくてもトライした内容をメモしてもらった
- エラー内容などは時々一緒に悩んで調べてみたりした
- ハンズオン系はpptで絵(構成図)をかいて説明したり、書かせて説明させたりした、選考でもPRする目的もあり
- 経験の棚卸し、IT経験以外でもIT業界での仕事に活かせそうなことがないかヒアリング
- 模擬面接(結論ファーストになってるか、質問に対する答えになってるか等)
- 志望動機の壁打ち(一貫性があるか、他責思考になってないか、シンプルに伝わりやすいか等)
- 職種・業界理解について教えました(クラウドエンジニアとインフラエンジニアとか、ITコンサルとSIerとかV字工程とか)
書類選考
未経験歓迎って書いてるものよりは、いわゆる微経験、最低限の業界経験が必須要件あるものを特に選んでだしてました。
求人検索するときは、CCNAや基本情報、IPAなどでフィルタして検索してました。
自分の経験からも完全に必要要件を満たしてなくても書類に通ることがあるのはわかっていました。
とはいえ、ダメでもともと、書類選考通ってからが勝負なので、書類選考はマジで幅広く出しました。
具体的には既報の大手SIer達から勢いのあるクラウド系特化の会社、最近めっちゃ人とってるSES、立ち上げ2~3年のベンチャー系SESなどなど。
そんな感じで少し難しめのところから受けてたので結構落ちた(本人だいぶへこんでました)ので、途中から【未経験歓迎☺☺!!丁寧に研修します!!】系の求人も出すようになりました。
そしたら、すぐ内定が取れ始めました。
EXCELでまとめてもらっていましたが、書類選考だけでも100社近くは出したと思います。(後半管理しきれなくなってきてた)
そのうち8割以上は書類落ちです。
ただし、書類通ったもののうち途中辞退したもの以外は1社を除きすべて内定がでました。
オファー内容
一部割愛してますが、こんな感じでした
- 大手SIer 580万
- 老舗SES 450万
- ベンチャー系SES 480万
大手SIerは以外は上記以外のも含めて400万~500万ぐらいでした。
逆にいうとこれくらいやれば未経験でそれくらいのオファーは取れる確率が高いなという妥当到達可能ラインと考えられます。
A氏の今後
とりあえず年内にLPIC1をとって来春ネスペを受験するようです。
今後のキャリアは「このままずっといてもいいかも」と今のところは思ってるとのことなので、どうなるかはわかりません。
とりあえず自分とともに勉強していく業界の仲間ができたので私は嬉しい。
今度、Windows Serverを一緒に立ててみる予定。
メンター事後談
求人は水物
自分より強いやつとがいたら落ちるいなかったら受かる、自分と同じくらいでも先に採用枠が埋まったら落ちる、つまり水物なので、しっかり準備してチャンスがきたらとらえられるようにするしかない。行動量も大事。
書類落ちてもへこまない
今回は難しいところをメインに受けていたのもありますが、そもそも募集定員に達したりすると書類通らなかったりするので、書類選考ではへこまないようにした方がいいです。
書類選考受かってからが勝負。
インフラもいい
よく開発・Web系を未経験の人は目指すが、インフラ系もいいと思います。
そもそも未経験からの転職っていうスコープで見たときに倍率が全然違うと思います。
私の経験でも、未経験の方のエンジニア転職相談をうけると8割以上がWeb開発系エンジニアをになりたいといいます。マジ未経験Web開発エンジニア、レッドオーシャンすぎ。
インフラは相対的にブルーオーシャンかなと。
加えて、資格がある程度体系化されているし、給与も上げやすいです。
まあもちろん、なにかしら面白いと思う部分がないと学習が続かないと思います。
未経験でITの転職の場合、何を重視して見られてるのか
いろいろ要素はありますが、なにより一番大事なのは下記 3 つとおもいます。
- コミュニケーション能力
これはITエンジニアへの転職に限らないですが、超大事。結論ファーストで適切にはなせるか、質問の意図を理解できているか、キャッチボール(対話)になっているかなど。例えば自分の過去の専門分野の話を相手にわかりやすく伝えられるかなどで計られたりします。 - ITポテンシャル・IT素養
これは自己研鑽、および志望動機や質疑応答で業務経験はないものの、やっていけるだろうと判断する、採用担当が他のメンバーに伝えるための材料客観的な材料があればつよいです。このポテンシャル評価を高めるために資格取得や自己研鑽をしてもらいました。 - 志望動機
意外と蔑ろにしがちなのがこれですね。ネガティブな志望動機になってないか、一貫性はあるかなど。
加えて以下も見てる会社もあると思います。
- グロースマインド/成長意欲 (ITポテンシャル・IT素養と重なる部分はあるが、ITに限らず)
- 学歴(大学およびその専攻はもちろん、中には高校レベルもみてたり)
- 英語力(TOEIC、英会話の可否)
こちらも合わせて参考に
未経験からのIT転職で450万は十分狙える
今回のように半年以上かけてみっちり対策すれば、アラサーでも実際のオファーから450万程度は狙えることがわかりました。
上でも述べたとおり、求人は水物なので確実ではないですが運がよければ今回のように600万弱、さらにはそれ以上のオファーも出るかもしれません。
20代半ばとかだったらもっと書類も通ると思うし、大手SIerの第二新卒枠にも入り込みやすいと思います。
ポテンシャルPRとコミュニケーション能力、この2つが超大事!
未経験でのIT転職、多くの人がしっかり対策してない
ポテンシャルPRの部分、しっかり対策すればいいのになかなかしっかり対策をして受ける人がいないです。CCNAとりますっていっても取らないとか、ほとんどがそういう人です。
ITパスポートすらとってない、受からないとかザラです。
なので、未経験のインフラエンジニア転職の場合では基本情報とCCNA持ってるだけでかなり上位に立てます。今回はさらには応用情報もあるので、ポテンシャル的にはかなり強いです。(アラサー年齢ハンデがあるので、やってもらったっていうのもありますが)
事実、A氏含めて過去に私は長期メンターをしてしっかり対策してくれた人はボリュームゾーン以上に良い会社に受かってます。
あとがき
なにか聞きたいことが他にあればコメントでもなんでもください~
役に立った人もいればコメントもらえたら嬉しいです。
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